Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

「どういたして」

「必とそうよ」

「しかし」と三吉は姪の方を眺めながら、「お前がそんなオシャベリをする人だとは、今まで思わなかった――今夜、初めて知った」

「私はオシャベリよ――ねえ、延ちゃん」と言って、お俊はすこし羞じらった顔を袖で掩うた。

両国の花火のあるという前の日は、森彦からも葉書が来て、お俊やお延は川開に行くことを楽みに暮した。

翌日の新聞は、隅田川の満潮と、川開の延期とを伝えた。水嵩が増して危いという記事は、折角翹望けた娘達をガッカリさせた。そうでなくても、朝から冷しい夏の雨が降って、出掛けられそうな空模様には見えなかった。

「延は?」と三吉がお俊に聞いた。

「裏の叔母さんのとこでしょう」

女教師の通う小学校も休に成ってからは、「叔母さん、叔母さん」と言って、毎日のようにお延は遊びに行った。

庭の草木も濡れて復活った。毎日々々の暑で、柔軟い鳳仙花なぞは竹の垣のもとに長い葉を垂れて、紅く咲いた花も死んだように成っていたが、これも雨が来て力を得た。三吉は縁側に出て、ションボリと立っていた。

「叔父さん――何故私が墓場が好きですか、それを御話しましょうか」