Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
ややこしき漫筆
私は奈良に住んでだんだん鹿を憎むようになってしまい、常にステッキか石ころを用意して彼らの群の中を通るのであったが、彼らの鈍感さはまったく腹が立つ位のもので、ステッキで打ってみてもちょっと尻尾をピリピリと震動させる位のもので、キョトンとした眼でわれわれを顧みるのである。
しかしながら近頃たまたま奈良へ出かけてみると、あの新緑の下に水辺にあるいは紅葉の側に、彼らを見るとそしてあのなまやさしい眼を見るとまた奈良へ来たという感を深くし、一つせんべいでも買ってやろうかという気にはなる。
ややこしき漫筆
近頃あの銀行はややこしいといえば、よほど内容が危険でいつ休業するかわからないから、今のうちに預けてあるものなら早く取り出しなさいということまでも含まれているところの複雑な言葉である。
彼がややこしいといえば彼が怪しむに足るべきものだということになる。しかし断言はしていない。怪しいらしいが、あるいはそうでないかもしれないが、どうもうさん臭いという具合だ。
ややこしい噂が立ってまっせといって肩でも一つたたくと、このややこしさは彼がややこしい場合とはまったく違ったところの、情事に関する陽気で浮気な、色気ある羨ましき噂が立っていることになる。