Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
鞆の嵐
するとまた次の年が来た、再び不注意にも私は申告を怠った、今度は私の収入はすこぶる増加していた、全くこれだけの収入が本当に確実にあったらどんなにいいだろうと、私は喜びかつ歎じた次第だ、可笑な事にはかなりの店を持った商人である処の私の友人Hよりも私の方が多額納税者となっていた事だった、もち論Hは税金としての最低額を収めているのである。
鞆の嵐
旅行をして、私はああよかった、はなはだ愉快でしたと思って帰ったことがあまりないのでどうも思い出はよろしくない場合が多い。
それはいつも旅行さきへ自分の仕事を持ち廻る為かも知れない。仕事の為に旅行するという旅商人が旅する如く官吏が出張する如く、あるいはより以上に仕事のことをのみ考えさせられて旅そのものを楽しむという心が仕事の下積みとなってしまうせいかと思う。
まったく、われわれの旅は情なく悩ましい旅である。だから私はカン※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)スとか、絵の道具とかいった何ものも持たず、ただふらりふらりと歩くことが一番楽しい気持ちである。ところで悲しいことには、山を見ても、海を見ても、家を見ても、木を見ても、いい日よりであっても、絵描きは絵を思わずにはいられないのだから困ったものだ。