Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
この現代でも、まだこれ以上複雑な正月を続けている家もあることと思う。さて私の今の生活では一つの神棚もない。面倒くさくはないが何の情景もない。屋外は常の如く松林である。昔の祝膳だけはそれでも並べて見るが、畳敷の洋館へ出た朱塗りの膳は、警察の小使部屋の正月を思わせる。屏風も立てず、松竹梅もない。勿論廻礼もしない。用事がないから朝も十時まで寝込んでいる。甚だ簡単だ。それだけ近ごろの新春は軽便に来て軽便に去って行く。行ったかと思う間もなくまた訪れる。どうも年々にスピードを増すようだ。
大久保作次郎君の印象
十幾年前、私の母が在世の頃、大久保君がよく遊びに来ました。あとで母は「どうや大久保はんはいつもすっきりとして、まるでお殿様やなァ」といっていつも感嘆しました。ついでに「お前もちと見習いなはれ」と申しました。母でさえ感服するばかりの温厚なる色男だったのです。
月日が経った上に、西洋の寂莫と芸術で苦労したものか、最近はその顔に不思議な妖味を現して来ました。ことに目の位置がだんだん上へ上へとせり上がってしまって、目の下何寸といって鯛なら値うちものとなりつつあります。