Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
七月
鉄斎翁という人もその晩年のものが実に素晴らしいではないか。あの鉄斎翁の最近の肖像というものを見たが、まったく絵かきの「ぬし」といった顔をしている。何でも「ぬし」とならなければ神通力は得られない。狐なども神通力を得ると毛の色も金色と変じて金毛九尾となる。芸術家もそこまで行かなければ駄目だ。役者でも、落語家でも、講談師でも、政治家でも、何でもそうだ。堂に入った達人になると皆「ぬし」と変化するようだ。芸術家の終点は「ぬし」ということにきまったようだ。
(「中央美術」大正十五年一月)
七月
冬は陽で夏は陰に当ると老人はいう、なるほど幽霊や人魂が出るのは、考えて見ると夏に多いようだ、幽霊の綿入れを着て、どてらを被った奴などはあまり絵でも、見た事はないように思う。
芝居などもお岩だとか、乳房榎だとかいうものは、冬向きあまりやらない、やはり真夏の涼み芝居という奴だ。
しかし私は今ここで怪談をやるのではない、ちょっと怪談も一席やって見たいのだが、それはまた今度の楽しみとしてとって置こう。
私は昔しからかなり毛嫌をよくしたもので、私が美校在学当時なども、かなり友人たちを毛嫌したものだった、殊に大阪人を非常に厭がったものであった、東京から暑中休暇で帰郷する時など、汽車が逢坂山のトンネルを西へぬけるとパット世界が明るくなるのは愉快