Classici giapponesi con furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Leggi 山を思う (やまをおもう) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.814 caratteri · 157 schermate
百日草が咲き、玉蜀黍の葉が風に鳴り、日かげは秋である。こゝの温泉も河津浪で流されたばかりで、道路を下った河原のゴロタ石の間に深さ一尺ばかりの溜り水に過ぎなかったが、日暮に近く、長々と身をよこたえて、あれで三十分ものびていたことだろうか。その晩の食事に、一尺を越す岩魚とさゝげが、大きな吸物椀のふたから首尾を出していたことは忘れられぬ。岩魚はもちろん焼いて串にさし天井裏にさして置いたものである。便所には紙が無く、きれいに削った杉の板片が揃って箱に入っていた。
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伊香保も箱根も山の温泉には違いないが、少々便利すぎて僕等の所謂「山」に入るかどうか、これは考えものだと思う。浅間温泉も同様、山の温泉といえるかどうか知らぬが、こゝは山への出入以外には寄らないので、すくなくとも僕にとっては、このカテゴリイに入れてもいゝような気がする。それだけにまた有名な浅間情緒は全く知らない。殊にこの頃は大変な繁昌だそうで、山のドタ靴などはいて行ったら、恐らく玄関ばらいを食うことだろう。幸か不幸か、僕は不況時代にばかり行っているので、いつも大事にされた。だから浅間温泉の悪口を聞くと不思議のような気がする。