Classici giapponesi con furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Leggi 山を思う (やまをおもう) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.814 caratteri · 157 schermate
夏と旅
◇
その翌日、針ノ木峠を越して黒部川の岸まで来はしたものゝ、雪崩で路が墜ちて了って薄明では危険で吊橋まで行くことが出来ぬ。対岸に日電小屋の燈……それはあらゆるコンフオートと、酒とを意味していた……が輝くのを見ながら、我々は東信の小屋という笹の葉で葺いたような掘立小屋を一夜の宿とした。
こゝでもあやしげな蝋燭の光をたよりに、手さぐりで酒をさがした。小さな樽がジョボンジョボンといったので狂喜して詮をぬき掌にうけて見たら醤油だったりした。
◇
翌日は九時頃日電の小屋に着いたのだが、盛んにとめられるまゝに、一日遊ぶことにした。さて晩方、釣り上げたばかりの岩魚の塩焼、熊の肉とキャベツの煮込み――ところで酒がない、ないとなると余計ほしくなって、その翌日は素敵な勢で立山温泉まで雪を踏んで歩いた。
◇
前にも書いたが、これは邪道である。登山とはこんな物ではない。山で酒がなくて困ったなど云っていると今に本当にひどい目にあうかも知れぬが、こんな風な山歩きも思出の一つになっている。
夏と旅
もし時間が自由になる身分ならば、私は夏よりも秋か晩春かに旅行をしたいと思う。