Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Leggi 山を思う (やまをおもう) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.814 caratteri · 157 schermate

Aozora Bunko

六

見る見る霧は上って行く。恰度大きな毛布を巻くような有様である。突然ガサッと音がして、私の前に立ち現われたのは、一匹の羊であった。長い、黒い毛。ふくふくと太って、顔がむやみに小さく見える。その小さい顔を曲げて、しばらくは私とにらめっこである。

Baa, baa, black sheep,

Have you any wool ?

あんまりいつ迄も私の顔を見るので、すこし顔負けして、いきなり私はこう云ってやった。羊は吃驚したらしく、ちょっと首を振ったが、ガサリと草を分けて霧の中にかくれた。

それから三十分ばかり、私は湖畔の路を歩いた。いたるところ、ヘザアの花の盛りである。二三本摘んで手帳にはさむ。いつの間にか霧はすっかり上って、アクレイ湖にさゞなみも立たぬ美しい日になった。

――考えて見ると、あれが大正十一年の秋だから、この秋でまる四年になる。忘れるにしては早すぎるようだが、私の記憶には大分黴が生えた。

六

二三日前の朝、今年はじめての百舌の声を聞いた。珍らしく早く起きて、と云っても七時頃、ねまきのまゝで新聞を読んでいると、ギー、ジュルジュル!という声。

私は新聞を持ったまゝ、あけ放した窓の所に行って見た。