Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Leggi 山を思う (やまをおもう) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.814 caratteri · 157 schermate

Aozora Bunko

◇

どう考えても夏は旅行のシーズンではない。が、日が永いのと、休暇があるのと(私のような会社員にあっては、僅か十日足らずではあるが)それから六月末に貰うボーナスで何とかやりくりがつくのとで、私はやはり夏に旅行することが一番多い。今年はどこへ行こうかと、今からしきりに考えている。

◇

子供が段々大きくなるので、避暑というよりも、広い所で自由に遊ばせ度くて、夏の転地を考えるようになる。昨年も一昨年も親類がいるので、千葉の海岸へやった。東京から近いから、ちょいちょい見に行くことも出来て便利だが、理想的な海とはいえぬ。どこか山の中で、綺麗な水が流れていて、而も東京から比較的近い場所はあるまいかと考えている。このような条件を具えているのは、先ず上越線開通後の、沼田の奥あたりだろうと思う。現在では汽車が不便だが、急行が通るようになると、東京から楽に行けて、いゝだろうと思う。

◇

子供達はどこか涼しい場所で遊ばせておき度い。自分は旅行をしたい。と、こうなって来ると、如何にも財産の無いのが、邪魔になるが、同時にありあまる財産を持ちながら、それを、実に愚劣な方法で浪費したり、あるいは、全然使用しないでいる人々が、すこし可哀想にもなって来る。