Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
二
『いやだねえ、手なんぞついて。格子口から見えるじゃないか。見ッともないから、もう引っ込んでくださいよ』
『引っ込むんじゃねえ、こ、これから、おらあ旅立ちだ。……じゃあ、姉さん御機嫌よく』
『あらっ――』と、お寿々は、土間へ飛び降りて、
『どこへ行くんですよ。そんな、だらしのない恰好して』
『旅へさ』
『えっ……。本気かえ、おまえさん』
二
酔うと青白くなる酒の性である。
内蔵吉は、じっと、お寿々を見つめた。お寿々には、男が、冗談なのか、本性なのか、解らなかった。
『いつも、与太ばかり云っているから、今日も、それかと思うだろうが、実あ先刻、湯宿の二階から、いきなり名を呼ばれたので、はっと仰ぐと、松代藩の柘植嘉兵衛というお人。おらあ、夢中で逃げ出した』
『仇とでも、狙われているんですかえ』
『仇どころか、寝るにも、足を向けねえつもりの御恩人だ。だが、その御恩人に、この姿は、見せられねえ。――総身に汗をかいて、沁々と、おらあ今日は、考えたのさ』
『考えたとは?』
『こうしちゃ居られねえ身だ。何処ぞへ行って、おらあ生命がけで、日本一の刀鍛冶に成って見せなけれやアならねえ。――身の出世に、あくせく足掻くわけじゃあねえよ。