Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
『やいっ、田舎鍛冶っ』
『労咳病み。待てっ』
誰か分らないが五、六名はいた。――挨拶がないとか、生意気だとか、悪口を喚きながら、清麿を、袋叩きと集って来たのである。獲物の棒切れか何かが、二つ三つ、清麿の痩せた背骨や、腰に中たった。
不意ではあるし、泥酔していたので、清麿は、大勢の中へ仆れた。――然し、仰向けざまに蹌けながら抜打ちに薙いだ刀に、手応えはあった。次の瞬間、意気地なく、わっと大勢が退いたので、その背の一つへ、追い打ちに、もう一太刀、浴びせかけたのも覚えている。
わらわらと逃げて行った跫音の後は、又、ひっそりと静かになった。坂の途中の閉まっている屋敷門の下で、彼は、その儘、血刀を持った儘、いい気もちで、眠ってしまった。
血臭いので、暫くすると、犬が吠えかかった。それに、眼をさまして、彼は又歩き出したが、寒さにだいぶ酔いも醒めかけていた。坂の上まで来ると、夜鷹蕎麦の灯が見える。よろよろと屋台の中へ首を入れた。
『おいっ、蕎麦』
『へい』
『――じゃあなかった。まず先に、一本かな』
『旦那』
『なんだ』
『血がついて居ますぜ、お手に』
『ほう、成程。……手桶に水はねえか』