Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やまうらきよまろ

山浦清麿

吉川 英治

Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate

Aozora Bunko

四

『御座いますが……はてな?』

『何が、はてなだ?』

凝と、蕎麦屋は、顔を見ている。清麿も何気なく蕎麦売の顔を見つめた。

見たような男なのだ。

先でも、いつ迄も眼を燿かしていた。

四

『ウム。思い出した。――もしや旦那は、信州の山浦という刀鍛冶の弟じゃないかな』

『お。……蕎麦屋さん、お前とは、松代で会った事があるな』

『ある』

『長州の浪士と云ったか、藩士と云ったか、忘れたが、たしか名は金子重輔』

『よく、覚えている。いかにも、自分は金子重輔だが。……おぬしは、江戸へ出ていたのか』

『夜蕎麦売とは、変った渡世をしているな。おれも、彼の日が、生涯の岐れ道になって、とうとう、つまらない刀鍛冶に成っている』

『そうか。して刀の切銘は』

『山浦清麿』

『えっ、近頃、四谷正宗といわれる清麿とは、おぬしのことか』

『面目ない。そんな大したもんじゃねえ。……ああ、あんまり意外な人に出会ったので、酒がさめちまった』

『飲もう! ……。こっちへ這入らないか。火もあるぞ』

『お前さん、まだ、本職の蕎麦売じゃないな』

『元より、これは仮の姿だ』

『ふウム……。この寒空に、粋狂な、何でこんな真似をしているんだ』