Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

鞭でその楢材の腕つき椅子を示しながら、喜平は怒鳴るように言った。正勝は静かに腰を下ろした。そして、将棋の駒のように肩を角ばらせて顔を伏せた。

「正勝! てめえは浪岡を幾らぐらいする馬か、知っているか?」

喜平は書卓の前の回転椅子にどっかりと腰を据えながら言った。

「…………」

正勝は静かに首を振っただけで、なにも言わなかった。

「知らねえ? しかし、てめえだって何年となく牧場にいるんだから、安い馬か高い馬かぐらいは知っているだろう」

「それは……」

「それみろ! てめえは浪岡が高価な馬だってことを知っていて、わしへの腹癒せにわざと怪我をさせたんだろう?」

「そんな……そんな……」

「とにかく、てめえは蔦が逃げていったのを、わしらが苛めたからだとでも思っているんだろう! 正勝!」

喜平は鞭をしなしなと撓めながら言った。

「…………」

正勝は顔を伏せたまま、答えなかった。

「てめえはそう思っているんだな? 思うなら勝手に思うがいいや。しかし、いくら腹癒せだからって程度があるぞ。浪岡は五百や六百の金じゃ買える馬じゃねえぞ。投げて千二、三百円、客次第で、三千円ぐらいにだって売れる馬なんだぞ。