Classici giapponesi con furigana
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
Leggi 愛よ、愛 (あいよあい) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.138 caratteri · 99 schermate
――………………。
――何故だまって笑ってらっしゃるの。
――だって、君にしちゃあ、よくそんな処へ気が付いたもんだ。
四辺の空気が、冷え冷えとして来て墓地に近づいた。が、寺は無かった。独立した広い墓地だけに遠慮が無く這入れた。或る墓標の傍には、大株の木蓮が白い律義な花を盛り上げていた。青苔が、青粉を敷いたように広い墓地内の地面を落ち付かせていた。さび静まった其の地上にぱっと目立つかんなやしおらしい夏草を供えた新古の墓石や墓標が入り交って人々の生前と死後との境に、幾ばくかの主張を見せているようだ。尠なくともかの女にはそう感じられ、ささやかな竹垣や、厳めしい石垣、格子のカナメ垣の墓囲いも、人間の小さい、いじらしい生前と死後との境を何か意味するように見える。
――生きて居るものに取っては、茲が、死人の行った道の入口のような気がして、お墓はやっぱりあった方が宜いのね。
――そうかな、僕ぁ斯んなもの面倒くさいな。死んだら灰にして海の上へでも飛行機でばら撒いてもらった方が気持が好いな。
いつか墓地の奥へ二人は来て居た。
――どれ見せな。
――息子の手紙? 執念深く見度がるのね。