Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.981 caratteri · 295 schermate

Aozora Bunko

木村の訪問したというのを聞いて、ひどくなつかしそうな様子で出迎えて、兄でも敬うようにもてなして、やや落ち付いてから隠し立てなく真率に葉子に対する自分の憧憬のほどを打ち明けたので、木村は自分のいおうとする告白を、他人の口からまざまざと聞くような切な情にほだされて、もらい泣きまでしてしまった。二人は互いに相あわれむというようななつかしみを感じた。これを縁に木村はどこまでも岡を弟とも思って親しむつもりだ。が、日本に帰る決心だけは思いとどまるように勧めて置いたといった。岡はさすがに育ちだけに事務長と葉子との間のいきさつを想像に任せて、はしたなく木村に語る事はしなかったらしい。木村はその事についてはなんともいわなかった。葉子の期待は全くはずれてしまった。役者下手なために、せっかくの芝居が芝居にならずにしまった事を物足らなく思った。しかしこの事があってから岡の事が時々葉子の頭に浮かぶようになった。女にしてもみまほしいかの華車な青春の姿がどうかするといとしい思い出となって、葉子の心のすみに潜むようになった。

船がシヤトルに着いてから五六日たって、木村は田川夫妻にも面会する機会を造ったらしかった。