Classici giapponesi con furigana
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Leggi 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.349 caratteri · 207 schermate
屍室と墓地と病院と、淫売宿のようなカフェーに囲まれた、この太子堂の家もあきあきしてしまった。
「時に、明日はたけのこ飯にしないかね。」
「たけのこ盗みに行くか……。」
三人の男たちは路の向うの、竹籔を背にしている、床屋の二階の飯田さんをさそって、裏の丘へたけのこ盗みに出掛けて行った。
女達は街の灯を見たかったけれど、あきらめて、太子堂の縁日を歩いた。
竹籔の小路に出した露店のカンテラの灯が噴水の様に薫じていた。
六月×日
ほがらかな空なので、丘の上の絹のような緑を恋いして、久し振りに、貧しい女と男は散歩に出る話をした。
鍵を締めて、一足おくれて出ると、どっちへ行ったものか、男の蔭は見えない。
焦々して、陽照りのはげしい丘の路を行ったり来たりしたが、随分おかしな話である。
あざみの茎のように怒りたった男は、私の背をはげしく突くと閉ざした家へはしってしまった。
「オイ! 鍵を投げろッ!」
又か……私は泥棒猫のように、台所からはいると、男はいきなり、たわしや茶碗を私の胸に投げつける。
あ、この瓢軽な粗忽者を、そんなにも貴方は憎いと云うのか……私はしょんぼり井戸端に立って、蒼い雲を見た。