Classici giapponesi con furigana
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Leggi 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.349 caratteri · 207 schermate
女の吸殻
全く鼠も出ない有様なんだから――。
蜜柑箱の机に凭れて童話をかき始める。
外は雨の音、玉川の方で、ポンポン絶え間なく鉄砲を打つ音がする。深夜だと云うのに、元気のいゝ事だ。
だが、いつまでも、こんな虫みたいな生活が続くのかしら、うつむいて子供の無邪気な物語りを書いていると。つい目頭が熱くなる。
イビツな男とニンシキフソクの女では、一生たったとて、白いおまんまが食えそうもないね。
女の吸殻
七月×日
丘の上に松の木が一本
その松の木の下で
じっと空を見ていた私です
真蒼い空に老松の葉が
針のように光っていました
あゝ何と云う生きる事のむつかしさ
食べると云う事のむつかしさ
そこで私は
貧しい袂を胸にあわせて
古里に養われていた頃の
あのなつかしい童心で
コトコト松の幹を叩いてみました。
この老松の詩をふっと思い出すと、とても淋しくて、黒ずんだ緑の木立ちの間を、私は野良犬のように歩いた。
久さし振りに、私の胸にエプロンもない。お白粉もうすい。
日午傘くるくる廻わしながら、私は古里を思い出し、丘のあの松の木を思い浮べた。
下宿にかえると、男の部屋には、大きな本箱がふえていた。
女房をカフェーに働かして、自分はこんな本箱を買ってござる。