Classici giapponesi con furigana
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Leggi 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.349 caratteri · 207 schermate
カーテンもない青い空を映した窓ガラスを見ていると、西洋支那御料理の赤い旗が、まるで私のように、ヘラヘラ風に膨らんでいる。
カフェーに務めるようになると、男に抱いていたイリュウジョンが夢のように消えて、皆一山いくらに品がさがってみえる。
別にもうあの男に稼いでやる必要もない故、久し振りに故里の汐っぱい風を浴びようかしら。あゝでも可哀想なあの人よ。
それはどろどろの街路であった
こわれた自動車のように私はつっ立っている
今度こそ身売りをして金をこしらえ
皆を喜こばせてやろうと
今朝はるばると幾十日目で又東京へ帰えって来たのではないか
どこをさがしたって買ってくれる人もないし
俺は活動を見て五十銭のうな丼を食べたらもう死んでもいゝと云った
今朝の男の言葉を思い出して
私はサンサンと涙をこぼしました
男は下宿だし
私が居れば宿料がかさむし
私は豚のように臭みをかぎながら
カフェーからカフェーを歩きまわった
愛情とか肉親とか世間とか夫とか
脳のくさりかけた私には
縁遠いような気がします
叫ぶ勇気もない故
死にたいと思ってもその元気もない
私の裾にまつわってじゃれていた小猫のオテクさんはどうしたろう……