Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate

Aozora Bunko

藤吉郎は、冷たい旅衣を撫でながら、

「小父さんにも、すこしあたらせておくれ」

と、童子と並んで、竃の前にしゃがみこんだ。

――へんなヤツ。

と、いわないばかり、童子は彼の横顔を、白い眼で一瞥したきりで、答えもしない。

「寒いな、夜分は」

「山の上だもの。寒いさ」

「お小僧。これ……」

「ここは寺じゃないぜ。おらは半兵衛先生のお弟子だ。お小僧じゃない」

「はははは」

「何を笑うのさ」

「いや、悪かった」

「お帰りよ。知らない人なんか黙って竃小屋へ入れたなんて分ると、先生から後で叱られちまう」

「いや、小父さんが後で、先生によく謝っておくからいい」

「会う気かい」

「それやあ、ここまで登って来たのだから、会わないうちは山を下りるものか」

「図々しいなあ、尾張者は。第一、小父さんは尾張者じゃないか」

「いけないのか」

「尾張者は、先生は嫌いだよ。おらだって嫌いだ。敵国じゃないか」

「うーむ、そうだっけな」

「白ぱッくれて、小父さんは、美濃へ何か探りにでも来たんじゃないか。ただの旅ならさッさと通ったがいいよ。笠の台があぶないぜ」

「これより先へ通りようはない。ここのお住居へだけ来たんだから」