Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate
「伊勢の南を先に席巻して高岡の城は、後にすべし」
と、いう意見であり、一方は、
「いや、敵が難攻不落と恃む高岡の城こそ、先へ懸って攻め落すべきである」
と、いう二者の対立だった。
前者の意見を抱く人々には、
熱田の加藤図書、愛知郡の飯尾隠岐守、岐阜城の物頭早川大膳、篠田右近、春日井郡から馳せ加わった下方左近将監――などがある。
「やすき地を先に攻めて、至難の地を後にまわすのは、遠征の策ではない。北伊勢の嶮、高岡の城だに墜してしまえば、恃みの中心をうしなって、余の北畠一族は、四散滅裂すること、火を見るよりも瞭かである」
との説をもって、それらの人の意見に反対しているのは、つい四、五日前から参戦した木下藤吉郎であった。
最も遅く参戦したものが、最も強硬に自説を云い張るので、それも多少、前者の部将たちの感情を刺戟していた。
「智略の聞えある木下殿のお説とも覚えられぬ。高岡の城は、北畠随一といわれる豪将山路弾正がこれを守り、その兵は強く、地勢は嶮、いかで口先で貴公がいわるるように簡単に陥ろうか。――味方の全軍が、わずか一城に懸って、日を過すうちに、神戸、一色の敵軍が、退路を断って、包囲して来たら何と召さるか」