Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate
庭の方に、何か見て、すぐ飛び出そうとしたのである。
「これ」
おえつは、抑えて、
「実は、この子をお手もとの小者になと、召し使っていただきたいと思いまして、はるばる、中村から伴れて参りました。――父の弾正は、侍でしたから、どうかこの子も、行く末は侍の端になとしてやりたいと思いまする。それが、亡き良人には、せめてもの手向けにもなろうかと……」
おえつは、片手に、腕白を抱きながら、畳へ涙をこぼしていった。
藤吉郎は、頷き頷き聞いていたが、彼女の言葉が切れると、
「よいとも。わしの手もとにまかせておけ。当人の器量にあるが、何か一人前には仕立ててくれる。――虎之助、これへ来い」
と、さし招いた。
「はいッ」
待っていたように虎之助は前へ出て、藤吉郎へお辞儀をした。そして、後ろの母親を振り向いてからまた、手をつかえ直した。
殿さまの前へ呼ばれたらこうするのですよ、とあらかじめ教えられていたものだろう。――それを見ているおえつの眼は、いかにも愛しそうである。また、心配そうである。
「なかなかきかん坊らしいの」
藤吉郎はつぶやいて、側にいる寧子や老母と共に、微笑んだ。
「虎之助」