Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate
阿波三好党の主将たる十河存保が怒ったことはいうまでもない。
――けれど、宗易が、余りに平然とそれをいったので、気をのまれて、その嚇怒も、ひとみの底に、憤ッと見えただけだった。
が、一瞬の間を措いて、
「おのれ、吐ざいたな!」
存保のことばと同時に、
「ぶッ、不礼者ッ」
身をふるわせて、あたりの部将たちは、陣刀のつかを掴んで立った。
宗易は、ながめ廻して、
「わたくしは、思うままを、信念で申し上げてみたまでです。町人ゆえ、兵法のことはよく弁えませんが、敗れると分っている戦をしてよいという兵法はなかろうと思いまする。時勢のながれに逆らって負けない戦もあり得ません。そうしたら御各の死も犬死、兵火の厄にかかる民財も無駄ごと、従って、無名の戦を好んだということになりましょう。無名の戦、それは乱です。乱を敢えてなす者は乱賊と呼ばれましょう」
静かなことばで、諄々というのでつい終りまでいわせてしまうのであった。存保は、怒気をこえて、蒼白になっていた。武将たちの中には、もう彼の側へ迫って、太刀を抜きかけた者もあった。
「待てッ。――この者の口吻では、ひとり宗易のみならず、ゆうべの茶室に寄った十人衆の町役どもはみな疑わしい。