Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
官兵衛は坐視していられなくなった。奉行の吉田六郎太夫も、千原九右衛門も、ほとんど、不眠不休のすがたで、工事監督や人夫の鞭撻にあたってはいるが、いかにせん使役する人夫は、不満不服のかたまりといってもよい占領地下の敵国民である。また、ふてぶてしいあぶれ者の交じりである。比較的おとなしい人夫までを、何かにつけて、煽動し、怠業の仲間にひき入れ、故意に予定を支障させて、表には出し得ない卑屈な反抗を、当事者の狼狽と、秀吉軍の敗北という結果に見て、故意に満足しようとしている始末のわるい人間群であった。
「怠けるやつは、何者だ」
官兵衛は、ついに、自身、杖をついて、工事場に立った。
ようやく、幾町かの一部出来かけた堤の新しい土の山に立って、その怖ろしげな眼を、数千の人夫のうえに、々とくばった。
そして、少しでも、怠けているものを見出すと、ちんばに似気ない迅さをもって、いきなりその人夫のそばへ駈け寄って行き、
「働けッ。なぜ怠けるッ」
杖をふるって、打ちすえた。
人夫たちは、ふるえあがって、
「ちんばの鬼武者が見ているぞ」
と、働き出した。けれど、その眼のとどく所においてのみである。