Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にほんのび

日本の美

中井 正一

Leggi 日本の美 (にほんのび) di 中井 正一 (なかいまさかず) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.126 caratteri · 187 schermate

Aozora Bunko

肉体はそこでは疲労の重力の上に立上り行く血をもってせられたる建築となる。

一本一本のオールを流さないこと、誤魔化さないこと、それはむしろ、いわるべき言葉ではなくして、筋肉によって味覚さるべきものである。疲切った腕が尚も一本一本のオールを引切って行くその重い気分は、人生の深い諦視と決意の底に澄透れる微笑にも似る。この微笑気分はよき練習と行きとどいた技術の訓練に於いては特殊の「冴え」をもたらすものである。オール或いは水に身を委ねた心持、最も苦しいにもかかわらず、しかも楽に漕げる境、緊張し切った境に見出す弛緩ともそれはいわるべきものである。あるまま思切り振舞って、しかもあるべき調子に乗って行く気分である。それはいわば骨、気合の冴えとでもいわるべきものである。耐えることは最早放棄しか有得ない極みに於いて、何物かに身を委ねる。それはフォームといわんにはあまりにも流動的である。成長するモルフェの瞬間的な把捉であり、時そのものの特殊な実存的深化である。よくコーチがどうしてもフォームを修正できない選手をして疲切らしめる事がある。その疲労の中にしかもオールを引いている選手に対して「そうだ、その気分を忘れない様に」