Classici giapponesi con furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate
二十五
ほんとうにこれから帰るんだよ。」
「じゃ、やっぱりお帰りがけね、お待ちなさいよ。」
と抜出ていた簪を、反らした掌で、スッと留めて、
「そうね……姉さんの御志で、お雛様の栄螺と蛤を、一石橋から流すと云うのに一人ぽっち。それまで檜物町に差向いでいた芸者が、一所に着いて来ない意気じゃ、成程出来ていませんね。」
「勿論。」と外套の襟を立てる。
「それじゃ風説の通りだよ。」
「や、専ら風説をするのかい。」
「評判さ。お前さん。」
「それはいささか情ない。」
「意気地なし……」
と袂を投げた手を襟に、眉を明るく屹と見て、
「男の癖に。」
「これは手酷い?」
二十五
「だけども、可い気味ねえ。」
「何の怨みだね。」
「可いもの好みをするからさ。」
「相済みません。」
葛木は寂しく笑って、
「猛烈なる事巡査以上だ。」
「処へ……私でなく、清葉さんに出て貰いたかったわね。」
「その人でさえ、可いかね、都合のいい時でないと、容易に顔を見せちゃくれない……」
「沢山よ。」と一転と背後向く。
「いや、見得も外聞も無しにさ。分けて、お前さんは全盛だ。名だけは評判で聞いている。……この頃に一度挨拶、と思うけれど、呼んでも……ちょっとじゃ見えんのだろうな。