Classici giapponesi con furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate
三十
爺さんは遁腰に天秤を捻って、
「さあ、お点けなさりまし、だが、お早く願いますので、はい。」
三十
「聞くだけ聞けば用は無いだ。」
例の訛った下卑た語調。圧は利かないが威すと、両切の和煙草を蝋巻の口に挟んで、チュッと吸って、
「な、阿爺どの、お孝が今だ、お前に別れて帰り際に、(待ってるからおいで、きっとだよ。)と言うたではないですかい。……違やせまいが、な。」
爺さんは、面中の皺へ皺を刻んで、
「ええ、ええ、さような事もござりましたよ。」
「秘さずとも可い。な、阿爺どの。お前は何だ、内の千世の奴の親身でしょうが。孫娘に用が有って逢いに来たことが二三度あるです、で、俺は知っとるですわい。お前は何か、しかし俺の顔は知らんですか。」
と釜底帽、一名(のっぺらぼう。)とも云わるる、青ぺらの鍔をり上げて、引傾げて剥いで見せたは、酒気も有るか、赤ら顔のずんぐりした、目の細い、しかし眉の迫った、その癖、小児のような緊の無い口をした血気壮の漢である。
「へい、いいえ、お顔は存じておりますほどでもござりませんが、その上被の召ものでござります、お見事な、」
こう云ったのは羆の筒袖。