Classici giapponesi con furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate
帰りがけの霞の空の、真中を蔽う雲を抜けて、かんてらの前へ、飛出したお千世の姿は、爺さんの目には、背後の蔵から昨夜の雛が抜出したように見えて、あっと腰を抜いて、ぺたんと胡坐を掻いて、ものを言うより莞爾々々としていたのである。
その間にお孝は、葛木と二人で参詣を済まして、知らぬ振して帰るも可い、が、かえって気まずく思わせよう。
(お爺さん虞美人草はないの、ぱっと散る。)桜草の前へ立った時、……お孝に挨拶をした爺さんが、(これは旦那様。)とその時葛木にお辞儀をしたので、
地蔵様へお参りして、縁を結んで来た矢前――旦那様は嬉しいね――で、それから引上げる、待合の名をそこで教えて、旦那様に見立ててくれた礼心に、お爺さんには今夜一晩、……私が玉をつけて可愛いお千世を抱かして上げよう。……来て一所にお寝、串戯じゃない、きっと待ってる。……と云った。
仔細はそうした事なのである。
赤熊が顕れた。
この毛むくじゃらを、稲葉家の縁起棚の傍で見た事があるというだけ、その血相と、意気込みで、様子を悟って、爺さんは、やがて、押くり返し何と言われても、行った先を饒舌らなかった事は言うまでもない。