Classici giapponesi con furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate
縁日がえり
三十二
「御自分、ついて行って見なさりゃ可かった。」
何か知らぬが、お千世が世話になる稲葉家に退かぬ中の男、と思うだけ、虫を堪えて飽くまで下手に出た爺さんも、余りの押問答、悪執拗さに、こう言って焦れたほどである。
知らぬ知らぬで、事は済む、問われる方が焦れたくらい、言数を尽すだけ、問う方の苛立ち加減は尋常ではない!
「この業突張、何だとッ。」
縁日がえり
三十二
「まあ、お前さん、怪我をしやしませんか。」
植木屋の布子の肩に、手を柔かに掛けた、弱腰も撓むと見える帯腰に、もの優しい羽織の紋の、藤の細いは清葉であった。
「拷問してやる。」
赫となった赤熊が、握拳を被ると斉しく、かんてらが飛んで、真暗に桜草が転げて覆ると、続いて、両手で頬を抱えて、爺さんは横倒れ。
苦とも言わせず、踏のめす気か足を挙げた赤熊は、四辺に人は、邪魔は、と見る目に、御堂の灯に送らるるように、参詣を済まして出た……清葉が、朧の町に、明いばかりの立姿。……それと見て、つかつかと、小刻みながら影が映す、衣の色香を一目見ると、じたじたとなって胴震いに立窘むや否や、狼狽加減もよっぽどな、一度駆出したのを、面喰って逆戻りで、寄って来る清葉の前を、真角に切って飛んで遁げた、赤熊の周章てた形は、見る見る日本橋の袂へ小さくなって、夜中に走る鼬に似ていた。