Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate

Aozora Bunko

「東西、黙って。」

と笑顔をお千世に向けて、トわざと睨んで見せる。

「私、何にも言やしませんわ。」

「いや、何とでもお言い、こうなれば意地で饒舌る。」と呷と煽る。

「お酌。」

と自分でお孝が、ツッと銚子を向けて、

「それに限るの。貴郎は気が弱いから可厭さ。」

「ところで、……清葉が下階へ下りて、……近所だからね、自分の内へ電話を掛けて、婢にいいつけて、通りへ買いに遣った、タングステンが、やがて紙包みになって顕れて、芝居の月の書割のように明るくなった。

そこが、お鹿(待合の名。)の上段の間さ。」

「あら、串戯の間、可いわねえ。」

「いや、その串戯じゃない、御本陣式、最上等の座敷の意味だ。

人の好い、気の好い、(お鹿。)の女房が喜んで、貴方の座敷だ――貴方の座敷だと云って通す。まるで新座敷一ツ建増した勢だ。素ばらしいもんだね、こう見えても。」

「さすがはね。」

「串戯じゃない、……いや、その串戯ではない座敷の上段へ、今夜も通された――サの字の謎から、ずっと電車で此地へ来てだよ。……

平時と違って、妙に胸がどきつくのさ。頭の頂上へ円髷をちょんと乗せた罪の無いお鹿の女房が、寂寞した中へお客だから、喜んで莞爾々々するのさえ、どうやら意見でもしそうでならない。