Classici giapponesi con furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate
口紅
三十七
床の柱に桜の初花。
口紅
三十七
「御維新ちっと前だって、芝の大門通りの足袋屋に名代娘の美人が有った。
その時分、増上寺の坊さんは可恐しく金を使ったそうでね、怪しからないのは居周囲の堅気の女房で、内々囲われていたのさえ有ると言うのさ。その増上寺に、年少な美僧で道心堅固な俊才のが一人あった。夏の晩方、表町へ買物が有って、麻の法衣で、ごそごそと通掛ると、その足袋屋の小僧の、店前へ水を打っていた奴、太粗雑だから、ざっと刎ねて、坊さんが穿きたての新しい白足袋を泥だらけにしたんだとね。……当時は電車で、毎々の事だが。
娘が夕化粧の結綿で駆出して、是非、と云って腰を掛さして、そこは商売物です。直ぐに足袋を穿替えさせるとなって、かねて大切なお山の若旦那だから、打たての水に褄を取ると、お極りの緋縮緬をちらりと挟んで、つくまって坊さんの汚れた足袋を脱がそうとすると、紐なんです。……結んだやつが濡れたと来て、急には解けなかった為に口を添えた、皓歯でその、足袋の紐に口紅の附いたのを見て、晩方の土の紺泥に、真紅の蓮花が咲いたように迷出して、大堕落をしたと言う、いずれ堕落して還俗だろうさ。