Classici giapponesi con furigana
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Leggi 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.254 caratteri · 151 schermate
「上の方は済みましたか。」
色男のイタリア人が尋ねた。
「いや、まだです。」
「それじゃ、君は追放じゃないんです。すぐ自由になるんですよ。」
色男等はそう言って出て行った。僕は、それを信ずることもできなかったが、しかし僕だけこうして残されるのはどうした訳だろうかと、こんどは少々不安になった。
そしてはたして僕はそのまま放免はされずに、所持品を受取るとすぐ、また一人の巡査に連れられて警視庁へ行った。そしてしばらく、また初めの時と同じような身体検査や何かでひまどって、昼頃になってようやく官房主事のところへ行って、そこで内務大臣からの即刻追放の命令を受けた。
本当の即刻なのだ。今からすぐ、尾行を一人連れて、出て行けと言うんだ。
「とにかくすぐフランスの国境から出ればいいのだが、都合で東の方の国境へは出ることを許さない。すると西の方だが、それだとスペインへ行くほかない。それでどうだ?」
どうだもへちまもあるものじゃない。行くほかはない方へ行くより仕方はないのだ。が、スペインなら結構だ。ぜひ一度は行きたいと思っていた国だ。
「結構です。しかし、スペインへ行くにしても、勿論日本の官憲の旅行免状が要るんでしょう。