Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「二人とも斬られたって」

戸口の外で、村山喜兵衛が云った。

「どちらもです」

矢崎舎人が云った。彼は喜兵衛よりずっと若く、まだ二十一歳であった。

「宮本又市も畑与右衛門も斬られました、畑では妻女も斬られたそうです」

「妻女まで斬った」

「邪魔をしたので斬られたということです」

「なに者が斬ったのだ」

「わかりません」と矢崎舎人が云った、「畑どのへ来たのは三人、宮本へ来たのは二人、どちらも家人の知らない顔で、名もなのらなかったといいます」

「意趣も云わずにか」

「いや、上意討だと云ったそうです」

「上意討だって、――」と村山喜兵衛が訊き返した。

「たしかに、両家ともそう云ったといっています」

「ばかなことを」と喜兵衛が云った、「殿は昨日、御逼塞になった、お上といえるのは御幼君だけだ、まだお二歳の亀千代さまが、そんなことをお命じになるわけはない」

「かれらはそう申したということです」

「これは穏やかでないぞ」と村山喜兵衛が云った、「昨日の今日、上意を僣称してこんな事が起こるのは尋常ではない、おれはすぐ御家老に申上げよう、あの三人をたのむぞ」

「承知しました」

「誰が来ても渡すな」