Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

石火

新八の気のつかないうちに、おみやは、ひと夜ごとに夜具の間隔をちぢめて来た。やがて気がついたが、彼にはなにを云うこともできなかった。彼は自分が、そんなことで文句を云える立場ではない、と思った。おみやは寝返りを打って、手や足を、新八の夜具へのせることもあったが、彼はそっと躯をずらせるだけで、押し返したり、よび起こして注意するようなことはしなかった。そして、とうとうこんなことになった。新八は寝衣の袖で、自分の唇や、顔や頸などを拭きながら、嘔吐の発作におそわれた。

「堪忍してね、新さん」六帖でおみやが囁いた、「あたしあなたを、弟のように思っていたの、弟のように思っているうちに、情が移ってしまったのよ、辛いわ」とおみやが囁いた。

「あたしもう決して、あなたのいやがるようなことはしないわ、だから、嫌わないでね」

おみやの啜り泣くのが聞えた。新八はこおろぎの声に聞きいっていた。

石火

住居を出た柿崎六郎兵衛は、旅籠町までまっすぐにゆき、二丁目を右へ曲って、西福寺という寺へはいった。

彼はそのまま出て来なかった。

明くる朝、その寺の土塀に付いたくぐり門から、二人の浪人者がはいってゆき、十時ころ、さらに三人の浪人者がはいっていった。