Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
「その明くる晩でした」
六郎兵衛は茶を啜った。
「兵部のしごとだ」と六郎兵衛は云った、「兵部が四人をそそのかし、そそのかした事実を抹殺するために、四人を片づけたのだ」
「貴方もそうお考えですか」
「みやの話で推察したんだ」と六郎兵衛は云った、「みやの話しでは、渡辺どのは食禄を加増され、重く用いられる筈だった、一ノ関が明らかにそう約束したと、酔ったまぎれに云ったそうだ」
「私は兄の恨みをはらします」
「まあおちつけ」
「私はおちついてはいられないんです」と新八は云った、「私はたよる親類もなし、親類はあってもこんな事情だからたよってはゆけないし、それに、それに私は」
「金のことか」
「そうです、私はもう、二三枚の銭しか持っていないんです」
「心配するな」と六郎兵衛が云った。
「そうよ、お金のことなんか心配することはないわ」
とおみやが云った。
「おまえは黙れ」と六郎兵衛が云った、「兵部をうらみたいのはそこもとだけではない、妹の主人を殺されたおれも、このまま手をつかねてはおらぬつもりだし、また、他の二人にも遺族があるだろう」
「はい、畑さんに二人、宇乃という娘と、虎之助という小さい子がいます」