Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
貝合せ
――九時でございます、厩橋(酒井忠清)さまへお越しあそばしますか。
「周防から知らせはないか」
――まだまいりません。
「では厩橋へまいろう、周防から来たら、おれに構わず相談をしろと云え」
――承知つかまつりました。
貝合せ
その日、――原田家の朝粥の会には、いつになく珍らしい客があった。
国もとから出府して来た、柴田外記と古内志摩(義如)、そして片倉小十郎である。柴田外記はさきごろ国老に就任したものであり、古内志摩は、国老の主膳重安の子で、年は三十、評定役を勤めていたが、父の主膳が、亡君忠宗の法要のため高野山に使いし、役をはたして国もとへ帰ったので、いれ替りに出府したものであった。
片倉小十郎(景長)は、刈田郡白石城、一万七千石あまりの館主で、家格は「一家」に属し、小石川堀普請の奉行を勤めている。そのほかに老女の鳥羽、里見十左衛門、伊東七十郎という顔ぶれであった。
老女の鳥羽は、浪人榊田六郎左衛門の女で、十七歳のとき故忠宗の夫人の侍女にあがり、いまはこの本邸で、亀千代の守をしている。年は四十になるし、縹緻もよくはないが、表情の多い眼つきや、やわらかな身ごなしなどで、ふと濃艶な嬌めかしさをあらわす若さと、賢さをもっていた。