Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
原田では家政が詰まっていた。江戸番は一年交代であるがこんどは任期が延び、二年ちかくにもなるため、ひどく出費が嵩んで、これ以上の滞在は困難になっていた。
使者に選ばれたときも、家老の堀内惣左衛門は、辞退するように、と云った。それは両後見へ謝礼をしなければならないからで、そんな費用は出しようがない、というのである。甲斐は笑って、その必要はないと云い、この役は借銀をしても勤めると云った。
惣左衛門は黙った。それは甲斐が、兵部との関係をしぜんに接近させようとしているのだ、ということがわかったからである。――惣左衛門はまた、江戸で正月をされては困る。一日も早く帰国されるように、とも云った。甲斐も「そうしたいものだ」と云った。なるべくそうしたいと思う。それはどういう意味ですか、と惣左衛門が訊いた。そこで甲斐は初めて、湯島へ雅楽頭のあらわれたことを話した。惣左衛門は頭を垂れた。主人の甲斐が、しだいに黒い禍まがしいものに包まれてゆくのを見るおもいがして、眼をあげることもできない、というようすであった。
その日、湯島へは矢崎舎人と中黒達弥、それに塩沢丹三郎が供をした。