Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
さていかがなものでしょうか。涌谷と会われたら伝言してもらいたいことがあるのです、と式部が云いだした。
「谷地の境について、紛らわしいことを云って来るんです。寺池領の者が、地境を無視して涌谷領へ鍬をいれる、というんですが」と式部は云った、「しらべさせたところではそんな事実はないし、むしろ涌谷領のほうで、地境を越しているらしいんです、それで、どうかそんなことのないように、御自分領の者によく申しつけられたい、とそう伝言して下さい」
「もしおめにかかったら、そう申し伝えましょう」と甲斐は答えた。
式部を見送ってから、いちど住職と方丈へゆき、そこでしばらく話した。品川の下屋敷から、綱宗夫人の使いがあり、伝来の香木で持仏を彫らせてくれ、という注文があった。その香木はことによると、政宗公が豊太閤からもらったものではないだろうか。もしそうだとしたら、仏像などに彫ってしまうのはいかがかと思うが。などと住職は話した。
甲斐は聞くだけ聞いて、なにも意見は述べなかった。そして自分は帰国するから、畑姉弟を頼むと云い、方丈を辞して、自分の宿坊へいった。
丹三郎がさきに知らせたからだろう、宇乃も虎之助も、着替えをして待っていた。