Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「現に、御承知のとおり」と金兵衛はつづけた、「四人のほかには一人のけがにんもありませんでした、上意、というひと言に威服したのです、もし上意と申さなかったとしたら、かれらにも家従がおり、なかには斬って出る者があったでしょう、しぜんにほかにも死傷者が出ずには済まなかったと思います」

「よい思案だ、よい思案だ」と兵部が云った。まるでなにか飛び去るものを慌てて捉まえでもするような、ひどく性急な云いかたであった。

甲斐はそっと眼をつむった。

「上意の僣称は咎めなければならないが、斬奸という大事を決行するのに、それだけの用意をしたのはあっぱれだ、申すとおり、もし上意討の一言がなかったら、もっと多く不要の死傷者がでたに相違ない、その心懸けはあっぱれだ、余の一存ではあるが褒めてやるぞ」

勘解由は云った、「では、僣称したことは事実なのだな」

「それはもうわかっている」と兵部が云った、「僣称を咎めるより、そこまで思案した点をとりあげてやらなければなるまい、同時に、もう一つの大事なことがある」

こう云って兵部は甲斐を見た。

「これはいずれ重臣会議にも出るであろう、まず評定職の意見をきいておきたいのだが」