Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「六十万石を二つにか」と安芸が云った。

「六十万石を二つにです」と周防が云った。

安芸はしずかに顔をあげた。白いものの混っている髪が燭台の火をうけてきらきらと光り、いままで酔った色のみえなかった顔が、赤く充血していた。

「――そうはさせぬぞ」安芸は低い声で云った、「もしそんな謀計があるとしてもそうはさせぬ、だが、いったいそれはなにが原因だ、なにがもとでそんな謀計が始まったのだ」

「わかりません、しかし思い当ることはございます」

「それを聞こう」

「その一つは酒井家と一ノ関さまとの縁組です」

安芸はちょっと考えたが、すぐに頷いた。去年、兵部宗勝の長子八十郎と、雅楽頭の女とのあいだに、婚約が定ったことを思いだしたのであった。雅楽頭の女とはいうが、事実はそうではない。雅楽頭の夫人は姉小路公量の女で、その夫人の妹を、雅楽頭の養女として八十郎と婚約したものであった。

また、八十郎は今年になって元服し、東市正宗興となのったが、年はまだ十二歳だった。

「姻戚関係になるとすれば、一ノ関さまを諸侯の列にあげたい、そういうところから始まったのではないかと思うのです」

「しかし、現に一ノ関は一万石の直参大名ではないか」