Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

「どうして? それはかまわんさ。本人が塾生を希望しているし、また、君が助手だからといって、大河を先輩として尊敬できないという理由もないだろう。」

「それはむろんそうですけれど……」

「それとも、大河に気押されて、やるべきことがやれないとでもいうのかね。」

「そんなことはありません。ぼくはただ朝倉先生のあとについて、仕事をやっていくだけのことなんですから。」

「じゃあ、何も気にすることはないじゃないかね。」

「ええ。」

と、次郎はこたえたが、まだ何となく気持ちを始末しかねているふうであった。

田沼先生は、しばらくその様子を見まもったあと、

「やはり気がひけるらしいね。」

「ええ、ぼく、代われたら代わりたいと思うぐらいなんです。」

「代わる? そんなことはできないよ。かりにできたところで、それは小細工というもんだ。そんな小細工をするよりか、与えられた立場をそのまますなおに受け取って、それを生かす工夫をしたらどうだ。君自身のためにも、大河のためにも、塾生たちみんなのためにも、生かそうと思えばどんなにでも生かされると思うがね。私は、ある意味では、むしろ、いいチャンスが、君にめぐまれたとさえ思っている。