Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あぶらじごく

油地獄

斎藤 緑雨

Leggi 油地獄 (あぶらじごく) di 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.624 caratteri · 69 schermate

Aozora Bunko

と云れた詞が、ほとんど只の詞ではないように思われる。でもそんなことがと一旦は自分が自分を打消したが、それは真正に打消したのでなく、或いはとだけでちょっと打消して見たのだから、中々以て打消しの効力は無い、一度半度の馴染でゝもあれば格別それは余儀ないとした所が、烟草一本が縁のこの貞之進に、「あら儂のではお厭なの」、あゝあれが只の詞と思えようかと、せっかく向いて来た本街道をまた横へそれて、いつまで経っても同じ山の中を彷徨って居る。

それならば、帰り際に何故黙って行過ぎたかという疑問を、やがてやっとのことで拾い出したが、我すら口を利得ない場合に、女として初めて逢った男に、「あら儂のではお厭なの」、これが思切って仔細無しに出るはずはない、そうだ、きっとそうだ、行過ぎたのは多分急の用があったのだ、いやそれにしても唯一言を吝まれることはあるまい、ただしは夜目で見えなかったか、見忘れる気遣いはないのだけれども、生憎車へ乗ろうとして後向になって居た時だから、それともなく見ちがえたのだろう、慥にこの貞之進と見たらば何とか云ったに相違無い、証拠には我れ玄関に立出た