Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あぶらじごく
油地獄
斎藤 緑雨
Leggi 油地獄 (あぶらじごく) di 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.624 caratteri · 69 schermate
四
折でもなく、又云うことも出来ぬのでそのまゝ下足番の所へ行った。
鳴鳳楼の門を出ると、幸い一人乗の車が居たので貞之進はこれへ乗ろうとする時、跡から同じく車で来て行過ぎたのは、正しく貰って帰る小歌だ。我が乗った車も存外疾くて、ほどなく逐着て二三町は続いて駈けたが、夜目なれば貞之進はただ先へ行く車の主の頭だけを見て、それでどこまでも続いて駈けて居たい心持がしたが、我車の方がフイと町角を曲ったので、あっと振返ったが向うの車はもう見えない、なぜ曲ったと叱りたいにも本郷へ出る道は一筋、秋元へ帰ったのは九時近い頃であったが、さてその夜は容易に眠られない。
四
その実酒飲会でも、その名懇親会であるからは、交際上顔を晒して置く必要があると感じて、貞之進は出懸けたのであったが、さて行って見ると例の沈黙では、知らぬ顔はどこまでも知らぬ顔で、彼の右隣の男に猪口をさゝれたのが、懇親といえば懇親あえて益する所はなく、いっそ窮屈極まるものと思って居たが、「あら儂のではお厭なの」、嬌喉玉を転ばすが如きこの妙音が、たちまち小歌という大知己を得させたので、秋元の我部屋へ帰ってからも、なお鳴鳳楼の座敷に居る