Classici giapponesi con furigana
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かいひんそうのさつじん
海浜荘の殺人
山本 周五郎
Leggi 海浜荘の殺人 (かいひんそうのさつじん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8672 caratteri · 18 schermate
――そして追って来た連中がやっとその辺へ着く時分には、大廻りをして別の方からさっさと浜へ帰っているという有様だった。
今日もその通り、水際立ったクロールで沖へ沖へと驀地に進んでいると、
「――志津子さん、待って下さい」と後で呼ぶ者がある。
「大変なお話があるんです」
「……?」
振返ると荒木清だった。――彼は志津子が速度をゆるめた隙に、抜手を切って近寄って来ると、並んで泳ぎながら、
「老子爵と貴女を殺して了うという脅迫状を寄来した者があるんです」
「悪戯でしょう?」
「現金一万円を出せば宜し、さもなければどんなに警戒しても駄目だと書いてあります。今日までに五通も受取りました」
「そんな話ならお祖父さまになすってよ」
そう云うなり、志津子はピッチをあげてぐんぐん荒木から離れて了った。
志津子は荒木の話をてんから嘘だと思った。そんな事を云って自分の御機嫌を取る積りに相違ない、そうで無ければこんな海の真中で云い出す訳がない、そう思っていた。――然し、大廻りに浜へ帰って、海岸傘の下へ体を休めに入った時、又しても同じような事を聞かされたのである。
志津子が軽く疲れた体を、快く砂上にさし伸べていると、井上一郎がそっと、素早く近寄って来て、