Classici giapponesi con furigana
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かいひんそうのさつじん
海浜荘の殺人
山本 周五郎
Leggi 海浜荘の殺人 (かいひんそうのさつじん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8672 caratteri · 18 schermate
深夜の事件
「でも、その脅迫状をどうして井上さんと久良さんだけしか知っていないんです?」
「貴女を驚かせたく無かったからです」
「有難う、ではどうぞ是からも驚かさないで頂戴。あたしそんな話聞くのも厭ですわ」
そう云って志津子は立上った。
深夜の事件
志津子はすっかり感情を昂らせていた。
一万円の脅迫状! 金を出さなければ老子爵と共に殺して了う、――本当にそんな脅迫状が来たのかしら? 井上一郎も云い、荒木清も云うのだから、恐らく嘘ではあるまい。
では何者がそんな怖ろしい事をしたのだろう?
――井上さんはああ云っていたけれど、よく考えてみれば彼の人もあたしと財産とを狙っているし、あたしが彼の人を嫌っている事も承知の筈だ。
――若しあたしと財産を手に入れる事が出来ないためにそんな脅迫状を寄来したのだとすれば、誰彼と云うより四人とも疑わしいといわなければならない。
そう考えると何も彼も分らなくなる。
「こんな時苅田がいて呉れたら」
志津子はふと呟いた。
執事の苅田平吉はむっつり屋の四十男で、何処かに底知れぬようなところも有るが、七年来というもの、全く忠実一方に勤めている模範的な執事だった。