Classici giapponesi con furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate
去年の夏だ、まだ朝早いのに湯島に参って、これから鰐口を鳴らそうと思うので、御手洗で清めようとすると、番の小児が水銭をくれろと云った。懐を探すと神月が懐中物を忘れたね、後に届けるといっても小児だから訳が分らぬ。内気な殿様だから顔を赧くしてまごまごしたッさ。そこへ来合せて水銭を達引いて、それが御縁となりましたのが、唯今の美人です。蝶さんなんだ。」
「解りましたよ。」といって柳沢は詮方なげに苦笑した。
神月は極悪げに、
「もう可いじゃないか、皆僕が悪いんだから、まあ、柳沢、竜田。」
「いいえ悪かないよ。僕は大賛成、一体婦人が男子に対して貢献するのに、自分の名誉だの、財産だの、芸術だのをもってして、それで、算盤玉に当って、差引こうというほど生意気なことは無い、いわんや、それに恩を被せるに到っては、不届といわざるを得ないな。
しかるに蝶さんに至っては、その今まで為し来ったすべての、可いかい。平ッたくこれをいえば苦労だ。その苦労はほとんど天下に大名をなしたものの、堅忍苦耐したくらいなもんだよ、その閲歴に対する報酬として、ただ、ひたすら、簡単に神月に見捨てられまいということを願ってまた他意なきを如何よ。