Classici giapponesi con furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate
二十
母親は若死した、やがて父親も亡った。その遺言に因れば、梓の実の姉が一人ある。内の都合で、生れると直ぐ音信不通の約束で他へ養女に遣わしたのが、年を経て風の便に聞くと、それも一家流転して、同じく、左褄を取る身になったという。野辺の送が済んで、七々四十九日というのに、自ら恥じて、それと知りつつ今まで遂に音信なかった姉者人、その頃一豪商の愛妾になっていたのが尋ねて来て、その小使と、従姉妹三人が竜の腮を探るような思をして工面をしてくれた若干金とで、ようよう後弔も出来たくらい、梓の家は窮していた。
もっとも小学を卒え、中学に入って、ちょうど高等学校に入っていたその学資は、父が膏血を絞ったものであることはいうまでもないが、従姉妹達が銘々、自分の境遇を悲しむ余りに、一門の中からせめて一人、梓さんが男だからと、石筆を持って来る、算盤を買って来る。本の栞に美しいといって、花簪の房を仕送れば、小な洋服が似合うから一所に写真を取ろうといって、姉に叱られる可愛いのがあり。
二十
学校の帰途、驟雨に逢えば、四辻から、紺蛇の目で左褄というのが出て来て、相合で手を曳いて帰るので、八ツ九ツ時分、梓は酷く男の友人に疎じられた。