Classici giapponesi con furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate
橋場今戸の居まわりは云うに及ばず、本所、下谷、飛離れて遠くは日本橋あたりまでも、草履穿で駈ずり歩かねばならないのみならず、煮るも、炊くも、水を汲むのも、雑巾がけも、かよわい人の一人手業で、朝は暗い内に起きねばならず、夜になるまで、足を曳摺って、日雇の賃銭を集めて、家に帰ると親仁の酒の酌をして、灸の蓋を取換えて、肩腰を擦って、枕に就かせて、それから、歩を取って、各々、二階に三人、店に五人、入交りに泊に来る渡者の稼ぎ高に割当てて、小遣を遣って、屋根代を入れさせる。この算用を算盤ぱちぱち、五を引いて二が残り、たった三厘の相違があっても髻を掴んで引摺倒そうという因業な旦那を持ってるから、夜の更けるまで帳場に坐って、その疲れ果てて吻と一息吐くと綿のようになる体で、お絹は添臥をしたのである。
何の! 踊の稽古をしても、三味線の弟子を取っても、我身一ツは安々と世間を清く過さるるを、獄に投ぜられて苦役に就いても、さばかりにはあらずと思う、ほとんど生身を削り落すような難行をしたのは、あえて堕地獄の我身の苦患を扶かろうというのではない、ただ単に蝶吉のためにしたのであったと、母親がその時の物語。