Classici giapponesi con furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Leggi 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 151.120 caratteri · 302 schermate
動き廻っているんだから、――丁度、廻っている独楽の心棒の先きが、きちんと止っていずにふらふらするように――だから赤道が必ず真ン中だとはいえないけれど、しかしこの辺に比べたらずっとずっと平衡しているわけだ」
「東京と、そんなに違うでしょうかしら」
「違うね、第一そうだろう、東京あたりで磁石針の止ったところを横から見ると、きっと北を指している方が、下っている、決して平らではないんだ、これは東京が南極から離れて北極に近よっているために、北極の力を余計に受けているからだね、しかもこれはもっと北に行くほどひどくなって来て、北極に行ってしまえば磁石針の針は北を下にして突立ってしまうに違いない――、まあこれは激しい例だけれど、とにかく磁石針にすら地球磁力の差がはっきりと現われる場所では、それだけ僕たちの実験にも地球磁力の影響というものが加わっているということを考えなけりゃいけない、そんな意味でこの磁気学研究所の分身が、赤道直下にあるボルネオのポンチャナクから少し溯った上流に作られるというのは実に、寧ろ当然であるといってもいいじゃないかね」
「そうですわね、でも、何も知らない人から見ると、こんなジミな研究所まで南方熱に浮かされたように思われませんかしら……」