Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばくだんたいへいき

爆弾太平記

夢野 久作

Leggi 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.653 caratteri · 98 schermate

Aozora Bunko

……蒼天蒼天……吾輩の一生もこのまんま泣き寝入りになるのか。回天の事業、独力を奈何せん……と人知れず哀号を唱えているところへ又、天なる哉、命なる哉と来た。……彼の林青年……友吉の忰の友太郎が今年の盂蘭盆の十二日の晩に、ヒョッコリと帰って来たのには胆を潰したよ。

ちょうどその十二日の正午過ぎの事だった。友吉の大好物だった虎鰒を、絶壁の下から投上げてくれた漁師があったからね。今の呑兵衛老医と、非番だった慶北丸の来島運転士を、その漁師に言伝て呼寄せると、この縁側で月を相手に一杯やりながら、心ばかりの弔意を表しているところだった。何とかカンとか云っているうちに呑兵衛ドクトルもずるずるべったりに座り込んだ訳だ。

むろん話といったら外にない。友吉おやじで持ち切りだ。

「結局、友吉おやじは諦めるとしても、あの忰の友太郎だけは惜しかったですね」

と来島が暗涙を浮かめて云った。

「……ウン。吾輩も諦らめ切れん。あの時に櫓柄へヘバリ付いていた肉の一片をウッカリ洗い落してしまったが、あれは多分、友太郎のだったかも知れない。今思い出しても涙が出るよ」

呑兵衛ドクトルも眼を赤くして関羽鬚をしごいた。