Classici giapponesi con furigana
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Leggi 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.045 caratteri · 185 schermate
先生は一杯の茶を喫せられつつわれわれの「指向」を御覧になり、文化活動の盛んなことを非常に喜ばれてお帰りになる。植物に熱心な患者Dさん、外に出られた先生をつかまえて、玄関わきのドウダンツツジについて質問する。
患者D「先生ドウダンツツジの語原は何ですか」
牧野「これこのように枝の先が三ツ叉に分れているでしょう。これを逆にすると昔使ったむすび燈台の三つの脚の恰好になるんです。それで燈台ツツジといったものがいつかドウダンツツジにかわったのです」
先生はつと手をのばしてこのツツジの小枝を実に器用にむしられる。その手先は荒れて黒いが、この手にまで植物の香がしみついているような感じになり、改めてこの老科学者の手を見つめる。先生は来年八十八の米寿を迎えられるが、お弟子さん達に私は八十八なんていうはんぱな数で祝って貰うのはいやだ、せめて九十になってからやって貫いたいといわれたそうで、食事なども肉を百匁位一度に召上るし、夜は二時三時まで研究をつづけられることもあるという。
「植物を愛することは、私にとって一つの宗教である」とまでいわれたあの牧野先生の温顔は、一つの仕事にすべてを捧げぬいた人間の完成した姿として、われわれの胸に深くきざみつけられたのであった。